フリーランスからの起業。大阪のゲストハウス”LINDA HOSTEL 106″のイベンターの等身大 – 田舎フリーランス養成講座
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フリーランスからの起業。大阪のゲストハウス”LINDA HOSTEL 106″のイベンターの等身大

弱冠24歳でホステル運営会社の取締役に就任するーー……。
これだけ聞くと、どんなすごい人だろうか、と分かりやすく優秀な人を想像するかもしれません。

しかし、新卒のふたりで創業した” LINDA HOSTEL 106 “の取締役でイベンター・張本舜奎さん(@ shunkeii )の印象は、物腰の柔らかい普通の青年です。

新卒ではいった会社でやりたいことを見つめなおし、フリーランスを経て、夢だった”場づくり”のチャンスを掴んだ彼へのインタビューから、コンプレックスとの向き合い方自分の芯を確認し続けることの大事さを学んできました。

行動すれば、やりたいことのチャンスにつながる

LINDA HOSTEL 106 の入り口にて。

野里:本日はよろしくお願いします!まずは、LINDA HOSTEL 106のオープン、おめでとうございます~~っ!いやー、快適!(インタビュー日、宿泊客として訪れていました)

舜奎さん:ありがとうございます!

野里:24歳で、会社の取締役に就任、40人規模のホステルを運営、と聞くとただただ感心してしまうのですが、どういった経緯でいまのお仕事に…?

舜奎さん:新卒ではいった会社を7カ月で辞めて、フリーランスとしてイベント運営やカメラなどをしていましたが、共同代表の水口(@tomohiro_osaka )(以下、トミーさん)に出会って、やりたかった”場づくり”ができることになりました。

野里:7カ月で退職、というのはなかなかスピーディですね…(笑)

舜奎さん:いろいろと考えたものの迷いながら就活・就職したので、「やっぱりやりたいのは場づくりだった」と気づいて

野里:それまでに場づくりの経験はありましたか?

舜奎さん:過去に参加した旅人を育成する企画「タビイク」でコミュニティ運営に挑戦させていただきました。一気に人を増やしすぎたこともあってうまくいかず、コミュニティをつくる難しさを体感しましたね。

想いを共有し、何でも言い合える関係性を築きながら、もっと小規模で始めるべきだったのかなと…

野里:会社を辞めることに抵抗はなかったのでしょうか?

舜奎さん:もともと好きだった旅を通して、いろんな友人に恵まれました。

それを見ていると、なんとかなるかなって(笑)

野里:周りからの影響も大きかったんですね。

舜奎さん:「あなたはもっとも多くの時間をともに過ごしている5人の平均である」という話を信じています。そのとき、僕の周りにいた人が旅人だったからこそ、自由な判断ができて、将来を楽観的にとらえることができていたな。

野里:会社を辞めて、場づくりをやりたい、と思ってまずはなにから始めたんですか?

舜奎さん:まず、お金を稼がないといけなかったので、バイトかカメラか、と選択肢をだしました。フリーランスに関しての知識は全くなかったんですが、挑戦してみようと思って、まずはカメラを。

野里:ご自身で強みとなるスキルがあったんですね。仕事にはどうつなげていったのでしょう?

舜奎さん:クラウドソーシングで案件を探したり、人づてにお仕事をいただいたり、時間を切り売りする「タイムチケット」というサービスも利用していました。

また、同時並行で個人で場づくりも始めましたよ。

野里:早速やりたかったことをスタートさせたんですね。どんなイベントだったのでしょう?

舜奎さん:ヒントを得ようと思って、ちょうどいろんな人に会いたい時期だったんですよね。でも、お金もないし…それで、僕が会いたい人をまとめて集めて、ただしゃべる、というイベントをしていました。

野里:え、なにそのクローズドすぎる集まりwww

フリーランス時代に開催したイベントでの写真。中央には大学時代ふりに再会したトミーさんの姿も。

舜奎さん:僕の友人同士がそこで出会って仲良くなったり、付き合ったり…あらためて、場づくりの面白さを確認しました。

そのイベントに来ない?と声をかけて再会したのがトミーだったので、やっぱりやってよかったなと思っています。

野里:おお、そしていまのお仕事に…!
行動したからこそチャンスにつながったんですね。

舜奎さん:株式会社LINDA HOTEL SYSTEM の取締役に就任して、僕はイベント企画と一階に併設される LINDA BAR の責任者になりました。

野里:退職からの流れが劇的…!

舜奎さん:”場”の価値って半端ない。
イベントを通してトミーと再会していなかったら、いまの立場にはいれなかった。

“場”を通して人と出会うことで、日々の努力だけでは考えられないステップまで一気につながることがある。自分でその可能性を体験できたのは大きかったです。

コンプレックスと過去の体験が、自分のやりたいことを明確に

野里:場づくりがやりたいことだ、と気づいたきっかけはなんですか?

舜奎さん:大学時代に、予備校でバイトをしていて、ふたつの校舎を担当していました。最初はすでにマニュアルなどがきちっとしている既存の校舎で、そこで僕は全然使い物にならなくて。

その後、新しい校舎に移って、ゼロから予備校の立ち上げに関わりました。仕事が楽しくなって、その結果、周りから評価されるようになったんです。

その経験から、人はいる環境によって可能性が発揮できるかが左右されると痛感して。環境づくりに興味をもつようになりました。

野里:自分の身を置く環境って、大事ですよね…。

舜奎さん:自分に合わない環境で、活き活きと生きれていない人が多いと思うんです。

僕自身、自分を出せずに苦しんできました。日韓ハーフなんですけど、それが昔はコンプレックスで。

野里:舜奎さん自身は、どうやってご自分を出せるようになったんですか?

舜奎さん:大学時にメルボルンに留学に行ったんです。そこにはそもそもオーストラリア人が少ない。いろんな人種が入り混じって生活をしていて、日韓ハーフであることなんて、なんの意味もなかったんです。

自分が悩んでいることって、ちいさなことだったんだなー、って。

野里:舜奎さんにとって留学がひとつの転機になったわけですね。

舜奎さん:それ以外にも、バスの発着時間が全然時間通りじゃなかったり。日本の当たり前はちっとも当たり前じゃなくて。それと同じように、日本でマイノリティでも、世界では当たり前だったり。

自分と、周りの人が楽しければ、なんだっていいな、と思いました。
楽しむために、他人との”違い”がだせない環境はいやだなって。

野里:LINDAは、人との違いを楽しめる場所になっていくんですね。

自分自身の大切なことを軸にして生きるきっかけになる場や環境つくりをして、日々活き活きといきる人を育てたいと考えています。

週1イベント運営!イベンターとして大切にしていること

LINDA HOSTEL 106の1階にある”LINDA BAR”。現在は雑誌やお酒などが並び、昼間はチェックインカウンター、夜はバーカウンターとしてオープンしている。

野里:LINDAはクラウドファンディングも行っていて、広報のためにオープン前からイベントもされていたかと思いますが、イベントをするうえで気を付けていることはありますか?

舜奎さん:全員が楽しんでもらえるように心がけています。顔を見れば楽しんでくれているか分かるので、気になったら僕から声掛けをしたり…

あとは、僕自身がコミュニケーションが苦手なんですよね。特に、大人数が。なので、イベントの中でもなるべく3-4人組を作って話す時間を設けています。

野里:わたしも大人数だとどう振舞っていいか分からなくなるから、安心だな…。イベント運営者って「楽しいこと、大好き!」って人が多いと思うので、苦手な気持ちを理解してくださるのは嬉しいな。

30人以上が参加した平成最後の日の”平成送別会イベント”「ヘイセイオクリ」でも、トークテーマごとに少人数のグループができるように配慮。

舜奎さん:あとは、サイボウズ式のイベントのパックマンルールがめちゃくちゃ良かったので、取り入れています。

野里:パックマンルールとは…?

舜奎さん:テーブルに座るときに必ず1席空けてもらうんです。そうすると必ず知らない人がひとり、その輪にまじるようになる。

イベントに知り合いと行くとなかなか他の人とのつながりができませんし、ひとりの人は知り合いの輪には自分からは入りづらいですからね。

野里:めちゃくちゃいいルール!そうやってご自身が参加者だったイベントから吸収して活かしているんですね。

印象的だった主催イベントはありますか?

舜奎さん:株式会社Waseiの代表である鳥井弘文さんと、 「HOTEL SHE,KYOTO」などを手掛けるL&G GLOBAL BUSINESS の取締役 龍崎翔子さんの対談イベントですかね…。

他団体とコラボして行われたイベント。詳細はこちら

野里:覚えています!行きたかったイベント~!

舜奎さん:初めての会場、慣れないモデレーターで、イベンターとしての課題をたくさん発見するような時間でした。

イベントでモデレーターを務める舜奎さん。

舜奎さん:僕自身は、だめだったところばかり目を向けてしまっていたんですけど、 お客さんの満足度はとても高かったのです。自分が思っていた以上に、たくさんのことがお客さんに伝わっていた。

だから、自分の良し悪しを勝手に評価する前に、来てくださった人がどう感じたかを大事にしようと思うようになりました。

コミュニケーションが苦手だからこそ。ビジネスパートナーとの付き合い方

改装前の建物で、パートナーであるトミーさんと。

野里:舜奎さんはコミュニケーションが苦手ということでしたが、ビジネスパートナーのトミーさんとふたりでホステルをやるとなると、コミュニケーションが大事になりますよね。

事前に価値観のすり合わせなどを行ったんですか?

舜奎さん:いえ、特に意識してコミュニケーションは…(笑)

野里:え、仲良しなので、事前に腹割ってめちゃくちゃ話したのかと…

舜奎さん:一緒にいる時間が必然的に多いので、自然とお互いのことを話すようになった感じですかね。

いまは、意識的にコミュニケーションをとる時間を設けています!

野里:どんな項目について話すのでしょう?

舜奎さん:日々、「報告・連絡・相談はしたか」「5分でできることを済ませたか」などのチェックを行って、さらにお互いに「仕事に対してのマインド」「弱み」「自分を深めるためにやったらいいこと」「取り掛かる業務」を定期的に話すことでコミュニケーションを深め、頻度を高めています。

仕事中も楽しそうに話しているふたりがカウンターにいると、雰囲気が和らぐ。

野里:パートナーであるトミーさんのどういうところが好きですか?

目標達成だけが快感じゃないところ、ですね。

再会した初日にこの話をして、彼とやっていけそうだな、と思いました。

野里:具体的にどんな話をしたのでしょう…?

舜奎さん:僕が、昔、アイスランドの有名な滝にひとりで行ったんですけど、全く楽しめなかったんですよね。その滝に行く、という目的は達成されたけど、そこまでの過程をシェアすることができなかった。

目的地を決めて、そこへ行く。それだけだとつまらないなって心底感じました。

野里:舜奎さんにとっては、道のりが重要なんですね。それは、トミーさんも同じなんですか?

舜奎さん:仕事にも同じスタンスでいたいんです。甘いと非難されることも、結果が全てになるときももちろん訪れると思うのですが…

再会したときにトミーが、「じゃあ、ホステルができる過程も楽しもうぜ」って言ってくれて。考えが同じだ!って感激したことを今でも覚えています。

野里:共通の価値観って大事だ…他には、似ている考えなどありますか?

舜奎さん:ふたりとも逆算して考えるのは苦手です(笑)

今後は、LINDAを別拠点にも展開していきたいなとは考えているんですけど、いまはここを成功させることに集中しています。

肩書をはずして。サードプレイスから生まれる関係

LINDA HOSTEL 106 は、資金をクラウドファンディングで募り、内装は可能な限り仲間に呼びかけてDIYで行った。

野里:オープンしたばかりの LINDA HOSTEL 106 ですが、どんな場所になるのでしょう?

舜奎さん:トミーは海外からのお客さんに日本の旅をもっと楽しんでもらいたいと思っています。
LINDAを拠点にして、日本の旅が最高の思い出になるように、と願って接客しています。

イベント企画を担当している僕が意識しているのは、安心と刺激です。

野里:安心と刺激、というと相反するように思えますが、具体的には…?

舜奎さん:いま頑張れていない人って、家族や会社の中で安心できていないから、だと思うんです。本当は頑張りたい、現状を変えたい、そう思った人は自然と外へ出てエネルギーをチャージします。

そんなときに足が向かう場所があるべきだと思う。そのうちの一つに、LINDAという選択肢をつくりたい。

家族、会社(学校)、そしてLINDA。サードプレイスとして機能し、安心を提供できる場所でありたいです。

野里:わたしも連泊して、すっかり安心感がでています(笑)

イベント中、ひとりになっているお客さんがいたら、すっと自然に隣に現れて会話を始める舜奎さんの姿が印象的でした。

舜奎さん:安心だけだと継続しないし、楽しくなっていかないので、刺激も大切にします。

イベントへの参加やBARに立ち寄ってもらい、人と出会うことで、価値観の変化やより自分のことを知る、といった体験を持ち帰ってほしいですね。

楽しい場所で生まれた関係から、例えば仕事につながれば、その延長線も楽しめると思うんです。そういった出会いまで生まれてくれたらな、と。

野里:実際にわたしも、LINDAで出会った方とお仕事につながりそうです…!

舜奎さん:みんなそれぞれ、素晴らしいところを持っていると思っている。肩書に引っ張られたくない。

仕事と離れたサードプレイスだからこそ、「好きなもの」や「日々感じる違和感」などのその人の真ん中でつながり、人の魅力が表現されて、もっと関係が発展していく…そうなれば嬉しいです!

野里:わたしも、普段の生活圏と良い距離にLINDAが自分の中で位置づけられているからこそ、自然体でいれるのかも。

今日はありがとうございました!またすぐに帰ってきます!

舜奎さん:LINDA HOSTEL 106 でお待ちしています!

[編集後記]行動すること、創意工夫すること

インタビューを通して、張本さんの様々な体験談をお聞きしましたが、そのどれもが「場づくり」につながっていました。
とにかく行動して自分の感じ方を確かめたからこそ、芯となるやりたいことが明確になる。その先に、自然と自分の夢の実現につながったのだろうな、と感じました。

(対面しているわたしは全く感じなかったものの、)何度も「コミュニケーションが苦手なんですよね」と繰り返している姿が印象的でした。

わたしもフリーランス時代にイベント企画運営を行っていたので分かりますが、コミュニケーション大好き!な人間であっても、困難を感じ、疲れてしまうことが多々あります。

それでも、張本さんがイベントをどんどん実施するのは、人の痛みが分かるからだろうし、苦手だからと投げ出さずに工夫しているから。

仕事は時に、自分の苦手なものと真っ向から向き合わなければならない瞬間がありますが、モチベーションをどこに置くか、手段をどう工夫するか、は自分でコントロールできます。
張本さんは、きっと、どうしようもない部分は楽観的にとらえ、自分でコントロールできる部分の創意工夫を楽しめる人なんだと伝わってきました。

仕事の姿勢として学びたい部分が多々ある時間でした。

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みなさん、サードプレイスとしてLINDAで安心と刺激を養ってくださいね。

▶執筆
野里のどか(ブログ:いつの日かハッピーエンド