2018/09/28

古民家ゲストハウスの開業を目指すパパライター「長濱さん」【受講生インタビュー企画】

いなフリ受講から10ヶ月経った現在のこと

写真;購入した古民家。ゲストハウスを運営予定。

 

なな:現在は静岡県に住んでいるとお聞きしていますが、何をされているのですか?

長濱さん:静岡の古民家を購入して今年の4月から家族で移住しました。朝は30分〜1時間ほど農作業をして、午前中はライティングをしています。ライティングの収益はいなフリ卒業時から連続でアップ中です。

また、コワーキングコミュニティラボ(以下、CCラボと表記)でも活動していました。古民家を使ったゲストハウス開業に向けて準備中ですね。また、知り合いを中心にお客さんが泊まりに来ることもあります。Twitterで知り合った若者が泊まりに来たこともあります。

※CCラボ…地方のコミュニティづくりやスペース運営に興味がある人が集まったコミュニティ。運営はPonnufで、2018年4月に活動がスタートした。

 

写真:お子さんの通学路

なな:古民家を購入後にご家族で移住されたのですね。ご家族からの反対はありませんでしたか?

長濱さん:不思議とありませんでした。場所が実家にわりと近かったからかもしれません。自分の両親、妻の両親どちらからも反対や不安の声はなかったですね。子供たちも下見の時は「こんなぼろっちい家は嫌だ!」と言っていましたが、今は楽しそうに駆け回っています。

なな:ご家族の理解があるのは素敵ですね。

 

いなフリに参加する時のこと

写真:長濱さんの新しい家族

なな:会社を辞めることや古民家購入、いなフリの参加は計画的だったのでしょうか?

長濱さん:会社も直前まで辞めるつもりはありませんでした。しかし、「いつか辞めるかもしれない」という感覚は昔からありましたね。実際に退職したのは2017年8月なので、いなフリの2ヶ月前です。

いなフリの参加も計画的ではなく、SNSで「半農半フリーランス」の言葉を見つけてfacebookから申し込みました。この生活のために貯金していた訳ではありませんが、若い頃から投資などはしていたので、周りよりは意識が高かったかもしれないですね。

なな:明確には辞めるつもりがなくとも、直感的に何か感じていらっしゃったのかもしれないですね。

 

なな:半農半X的な暮らしを目指したきっかけは何かありますか?

長濱さん:髙坂勝さんの「減速して生きる」、福岡正信さんの「わら一本の革命」には影響されましたが、明確なきっかけは正直分かりません。ただ、5年程前から「子供を田舎で育てたい」という潜在的な欲求はあって、それは奥さんも同じでした。以前の職場が転勤の多い職場だったので、どこかで落ち着いて子供と暮らしたい気持ちも出てきましたね。

自給自足的な生活については、「依存先を分散させたい」という気持ちが強いですね。例えば会社だと、会社に依存しているじゃないですか。でも依存先が一つしかないのは不安定なので、分散させたい。食もその内の一つですね。

 

–他のいなフリ受講生と比べて、フリーランス的な部分よりも「農」「田舎」というイメージが強い長濱さん。いなフリ中はどんなことをされていましたか?

写真:開墾中の畑

長濱さん:ライティング、サイト制作、プログラミング、農業体験などをやりました。ライティングの収益は5000円くらいでしたね。とにかくいろいろな働き方や生き方を知りたいという思いでやっていました。プログラミングについては、講座を受講してからプロゲートをやってみました。

農作業は他の受講生はあまりやっていませんでしたが、私はいなフリ後も農作業をするつもりだったので積極的に参加してましたね。

また、千葉県いすみ市にあるブラウンズフィールドにもお邪魔しました。ブラウンズフィールドは理想とする暮らしに近くて素敵でしたね。建物やキッチン周りのあたたかさが印象的でした。

※ブラウンズフィールド…昔ながらの知恵をヒントに、豊かな食を中心とした心地よい暮らしを提案している場所。宿泊施設や食事可能なカフェもあり、ブラウンズフィールドで作られたお米や無農薬野菜、調味料、地元で採れた野菜が中心のマクロビオティック料理が特徴。公式HP:brownsfield

 

なな:現在はライティングを続けているとのことですが、色々挑戦した中でライティングがご自分に合っていたのでしょうか。

長濱さん:そうですね。「ライティング、これだ!」という感じではありませんが、ハードルが低くてやりやすかったですね。まだ完全に生計を立てられるほどは稼げていませんが、「生計を立てることもできなくもなさそう」という感覚は出てきました。「会社に勤める」という生き方以外の可能性を感じたことは大きな経験になっています。※インタビュー後、月収18万円を達成されたとのことです。

なな:10月に始めたことを継続されていて、結果も出しているのが素晴らしいですね。私は継続力が無いので真似できません。

 

なな:もともと文章を書く機会があったのでしょうか?

長濱さん:長い文章を書く経験も他の人よりはあったと思います。自費出版で本を出したこともあります。ネタですけどね(笑)。1年半くらい前に結構頑張って書きました。200人規模のバーベキューの企画・運営をしていたことがあるので、バーベキューのやり方などについてまとめた本を書きました。「本当に自分が楽しいと思えることをやりましょう」といったようなことも書いていて、今思うと当時会社勤めをしていた自分へのメッセージだったような気もします。

なな:本を出版されていたのは初耳です…!長濱さんのご自宅には本があるようなので、ゲストハウスに遊びに行った時には見せていただきたいです。

 

 

いなフリで得たもの

写真:いなフリ受講時のhinodeでの様子

なな:現在やってることの中で、いなフリが役に立ってることは何かありますか?

長濱さん人とのつながりが大きいですね。真剣に人生と向き合おうとしている人ばかりだったので、そこでのつながりはとても貴重なものになりました。今も同期とは日報と送り合ったりしています。断続的ではありますが…!(笑)

なな:いなフリ中の同期と現在も連絡を取られているのですね。長濱さんはCCラボにも参加されていたこともあり、いなフリ関係者との繋がりが強いように見えます。

 

なな:以前Twitterに「いなフリで人生の選択肢が広がった」と書かれていましたが、具体的にはどのように広がったのでしょうか。

長濱さん:生き方を選ぶうえでは「こういうやり方もある」「実際にやっている人もいる」をダイレクトに感じる必要があると思っています。その点で多様な生き方をしている人とダイレクトに出会えるいなフリは、選択肢を広げるのに有効だと思います。

例えば、「TVで見て知っている」ことよりも「隣の人がやっている生き方」の方が、実現可能な気がしますよね。「実際にやっている人」が近くにいるとリアルに感じられます。いなフリで「実際にやっている人」に出会うことの意義は大きいですね。

なな:確かに。SNSや本を見ると「ネットで稼いでる人がいること」「半農半Xを実践している人がいること」は分かりますが、「自分にもできるのか?」と疑問に思いますよね。実際に人に会うことは大切ですね。

 

なな:いなフリ受講の前後でどんな変化がありましたか?

写真:いなフリ受講時のシェアハウス「くには邸」

長濱さん:ライティングやゲストハウスを含めて「動き出した」感覚が大きいですね。いなフリのおかげで初めの一歩、スタートダッシュができました。参加前は古民家を購入することは決まっていたものの、ゲストハウスを運営するとは思っていませんでした。自分たちの生活拠点としか考えていませんでしたね。いなフリに参加する中で、ゲストハウスを運営しようという気持ちが固まっていきましたね。

なな:いなフリを受講する人は、大きく分けると「様々な生き方を知りたい人」と「ある程度WEBの知識があり、さらに高めようとしている人」の2パターンいると思います。長濱さんは「様々な生き方を知りたい人」で、いなフリで0→1の作業をした方のように見えます。ライティングにおいても0→1の作業をいなフリで経験し、今では10万円以上稼いでいらっしゃる。いなフリで「動き出した」典型例に感じます。

 

なな:いなフリで「動き出した」長濱さんが今後やっていきたいことは何でしょうか?

写真:CCラボでの活動の様子

家族との生活を楽しむこと、消費的な生き方から生産的な生き方になること、感謝と出会いを目的とした場づくりをすることです。

 

なな:「消費的な生き方から生産的な生き方」とは、自給自足のことを指しているのでしょうか。

写真:古民家裏にある畑

長濱さん:そうですね。自給自足の生活もそうですし、考え方とか感じ方みたいなものもありますね。生産は自分で考えなきゃいけない。主体的な生き方だと思っています。

消費的な生き方って、あまり考えなくてもお金を出せば手に入るじゃないですか。でも生産って「どうしたら作れるかな」「どうしたら売れるかな」って自分で考えないといけなくて、主体的な感じがしますね。

ウルグアイの元大統領ムヒカさんの考え方がいいなぁと思っています。

※ムヒカさん…「世界で最も貧しい大統領」として知られるウルグアイの元大統領。演説内の有名な言葉には「私たちは発展するために生まれてきたわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。」等があります。(引用:https://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/

 

なな:「場づくり」は、ゲストハウスのことでしょうか。

写真:古民家を訪れたゲストとの写真

長濱さん:はい、古民家ゲストハウスの運営ですね。事業というよりは、個人的にそういう場所が欲しかった、という気持ちが強いです。会社を辞めるとき、家族との生活を大切にしたり、お世話になった人に感謝の気持ちを伝えたりしたいと思ったんです。自分が全国の知り合いのところを訪れるのではなく、来てもらえる場所を作ろうと思いました。元々おもてなしも好きなので、性に合ってると思います。

 

なな:では、ゲストハウスは大々的にホームページを作って人を呼ばずに、身内を中心にしていく予定ですか?

写真:古民家に宿泊する若者

長濱さん:いえ、いずれは外国の方とかも呼びながら、オープンにやっていきたいです。出会いが好きなので。古民家には8畳間が4部屋あって、これからピアノも用意する予定です。
まだ許可申請が下りていませんが、まずはプレオープン的な感じで身内を呼んでいきたいです。

 

なな:200人規模のバーベキューを何度も主催して本まで出版している長濱さんが「おもてなし好き」なのは納得です。いなフリの同期で集まる機会がなかなか無いので、長濱さんのゲストハウスを利用して皆で集まりたいなぁ、と個人的に考えています。

長濱さん:ぜひ遊びに来てください!

 

 

なな:「農」や「場づくり」に重きをおいた長濱さんにとって、いなフリを一言で表すと?

写真:作業服を着る長濱さん(右)

長濱さん最初に「港っぽいな」と思いました。もう少し付け加えると「ひょっこりひょうたん島の港」ですかね。メンターだった大堀さんが「ドンガバチョ」というキャラクターに似ているのもあります(笑)。

いなフリが実際に海沿いで開催されていることもそうですが、いろんな人が到着して、休憩して…という部分に「いなフリって港っぽいな」と感じました。

ひょっこりひょうたん島には「これから新しいところに漕ぎ出していくぞ」「物語を作っていくぞ」というイメージがあるので、いなフリは「ひょっこりひょうたん島の港のようだ」と思いました。

なな:いなフリが開催されている金谷やいすみは海の町。様々な人が出入りするので確かに「港っぽさ」を感じますね。

 

なな:いなフリ受講生、これから受講する人に一言お願いします!

長濱さん何かに迷っているのであれば参加してみると良いと思います。人が変わる際には「時間の使い方」「環境」「付き合う人」を変える必要があると言われていますが、いなフリはその条件をすべて満たしています。

かといって、いなフリを受講すれば全てがうまくいくわけではありません。自分からボールを投げない限り得られるものは無いでしょう

でも、ボールを投げた先には極めて優秀なメンターや講師が壁役としていてくれます。ボールを投げるあなたを応援してくれる仲間が側にいます。壁から返ってきたボールをキャッチしたときの手応え、それがいなフリで得られるものです。

 

メンターの大堀悟さんから一言

写真:メンターの大堀悟さん(ぼりさん)

受講中のワークショップすべてに参加し、現地の方とのつながりを作って個人的に相談に行くなど、田舎フリーランス養成講座を最大限に利用された方なのではないかと思います。
爆発的ではなく着実に成果を積み上げ続けているのも自分にとっての長期目標がハッキリされているからかと。すごい。
ぼく自身のブログの筆字ヘッダー画像のデザインを仕事として依頼させて頂いたりと、現在も個人的に交流のあるハマさん。
今後とも、イチフリーランス同士としてよろしくお願い致します。

 

インタビューされた人:長濱さん

写真:長濱さんとお子さん

静岡の古民家でゲストハウス開業に向けて準備中のライター。いなフリいすみ2期生(2017年10月の半農半フリーランス講座参加)。農作業に最も熱心に参加していた方である。現在は午前中にライター業、午後からはゲストハウス関係の仕事や育児などをして過ごす。三児の父でもある。

Twitter:@hamalandspace

 

後記

古民家を購入して家族で移住した長濱さんの生活を「羨ましいなぁ」と思う人は多いだろう。スローライフに見える生活も、実際はライティングや農作業、子育てに忙しいようですが、長濱さんの表情は穏やかで余裕があるように見えた。

半農半フリは1度しか開催されていない珍しい講座。この講座に参加した受講生の多くは現在WEB関係の仕事に力を注いでおり、長濱さんのように「農」に重きを置く人は見当たらない。この講座を受講して、実際に農的暮らしをしている長濱さんの存在は貴重である。

家族との時間を大事にしながら理想の暮らしを目指す長濱さんは、受講から約10ヶ月経った現在もまるも関係者と繋がっている。いなフリをきっかけに0→1の作業をし、その後もゆるやかに繋がりを維持している姿にいなフリの温かさを感じた。

ゲストハウスがオープンしたら、ぜひいなフリの仲間を連れて訪れたい。今まで200人以上の受講生がいながら、期の違う受講生との交流はほとんど無い。いなフリをきっかけに誕生したゲストハウスで新たな繋がりが生まれると思うと、繋がりの連鎖に嬉しい気持ちになる。

近いうちに長濱さんのゲストハウスを訪れることが、私の楽しみの一つです!

 

池ちゃんの鞄持ち企画の一環で「過去のいなフリ生にインタビュー」をしました。インタビューした人は、いなフリ13期(2018年2月参加)で4月から金谷に移住した伊藤菜々(なな)です。

Twitter:@777nanadayo777
ブログ:保健室で昼寝したい


伊藤 菜々

1994年秋田県生まれ。2018年2月金谷いなフリ受講生。受講後は金谷に移住し、新卒でフリーランス活動を始める。ライティングやブログアフィリエイトをメインに活動中。詩や随筆も書いています。