2017/08/01

これって経費になるの?フリーランスのための「経費入門」

個人、法人問わず、事業を行うことで発生する「経費」。フリーランスとして活動するうえで避けては通れない「確定申告」は、この経費の計上が深くかかわってきます。そのため、独立するうえでは必ず知っておかなくてはならない概念でもあります。

今回は、そもそも「経費」がピンとこない方のために、基本的な経費の考え方や守るべきルールについて、ひと通りみていきましょう。

まず「経費」って何?

「経費で落とす」や「経費で切る」といった言葉は耳にしたことがあると思いますが、そもそも「経費」とは何なのでしょうか?実のところ、経費という概念自体はとてもシンプルに言い表すことができます。

経費とは、「必要経費」の略で、「事業を行う上で使ったお金(費用)」のことです。つまり、仕事のためにパソコンを買ったのであればそれは「経費」にあたりますし、取材のために電車を使ったのであればその交通費も「経費」になるということです。このように、税金上費用とみなされれば、経費として計上することが可能となります。

なぜ経費を計上しなくてはならないのか

では、この経費をどこで計上、申告するのかというと、一度は聞いたことがあるであろう所得税の「確定申告」時となります。確定申告では、売上から経費を引いたぶんの「利益」に対し、所得税を課税するのですが、この経費の額が多いと、所得税の課税額を抑えることができるためです。

したがって、よく言われる「節税」とは、この経費計算をしっかり、記入漏れのないように行うことにあたります。余計な出費を抑えるため、その年に発生している「経費」を細かくチェックしなくてはいけない理由は、ここにあるのです。

どこからどこまでが経費なのか?

ただし、なんでもかんでも経費になるというわけではありません。経費で落とせるものと、そうでないものの違いは、以下の2つのポイントにもとづいて分類されています。

事業に使ったものが「経費」になる

まず、経費で落とせるのは、事業を行うコストとして計上されるものに限られます。つまるところ、「仕事上やむを得ない出費だったかどうか」という視点にもとづいて決定されるのです。

たとえば、クライアントとの打ち合わせのために外食をした場合。これは、状況にもよりますが、基本的には仕事に必要な出費だったとして「経費」扱いになります。一方、一緒に食事をしたのがただの友人だった場合、これは仕事に関係がないとみなされ、経費としては計上されません。

このように、仕事に関係があるかどうか、という所を押さえて考えるとわかりやすいかと思います。

事業用に入手し、実際に使ったものだけが「経費」になる

さらに、上記で説明した「仕事上のコスト」だったとしても、使っていなければそれは経費とはなりませんので注意が必要です。たとえば、まだ販売していない商品在庫や未開封の事務用品。これは、棚卸しの際に経費ではなく「資産」として計上されますので、また別の扱いとなります。

ただし、未開封のものに関しては、過去に支払った際に「経費」として会計処理をしている場合は、経費にできるという例があります。

なんでもかんでも経費にしてはいけない

なお、もし本当に「なんでもかんでも経費にしてしまった」場合、あまりに不自然な申告内容だと税務署の調査を受けるおそれがあります。また、そうした場合、調査ののち過少申告とみなされ、「重加算税」が課されてしまい、かえって税率が高くなる可能性もあります。経費は正しく計算し、くれぐれも虚偽のないよう申告しましょう。

経費として認められるもの一覧

それでは、具体的にどういったものが経費にあたるのでしょうか。個人のフリーランス向けに、計上可能な経費を表にまとめましたのでご覧ください。

 

項目名概要
外注工賃制作してもらったロゴ、イラスト、ホームページなどの外注費用全般
地代家賃事業所、店舗などの家賃、駐車場の利用料など。
自宅を事務所にしている場合、それも含まれる
荷造運賃運送費や発送費をはじめ、
梱包に利用したダンボールやガムテープも含まれる
(未使用のものは不可)
水道光熱費水道、電気、ガス代で事業に使用した分
(2~3割程度が計上できる)
旅費交通費電車やバス、タクシーなどの公共交通機関の利用料金
宿泊費用も計上可
通信費電話代、プロバイダ利用料、携帯電話料金、切手代など
公告宣伝費テレビや雑誌などの広告掲載費、チラシ代、年賀状、名刺作成費の他、
サイト広告費、Google AdSense、ドメイン取得費用なども計上可
新聞図書費事業に必要な書籍、雑誌、Webマガジン、メールマガジン等
接待交際費事業に直結する食事代など
修繕費事業に必要な器具や機械、建物などの修繕費用、維持管理費用など
消耗品費価格が10万円以下のもの(電子機器も可)
10万円以上であっても耐用年数が一年未満のものなら計上可
減価償却費経年劣化した固定資産を、耐用年数に応じて計上可
保険料各種保険(損害保険や地震保険)を計上可
支払手数料振込手数料や販売手数料など
クラウドソーシングなどの仲介手数料も計上可
寄附金事業上の付き合いでの寄附金のみ計上可

なお、法人向けとしては、他に「福利厚生費」「給料賃金」や、特殊なものでは「未償却の繰延資産」「修繕積立金」なども経費に含まれます。

身近な経費はこんなにある?チェックしておくべき「経費」

上表を見てわかるとおり、経費について意外と驚かれるのが、「家賃や水道代、光熱費なども経費として計上できる」という点です。意外と経費にできるポイントは多いので、独立前にひと通りチェックしておくと、今後のフリーランス生活がスムーズになるでしょう。

他にも、フリーランスには必要不可欠な「通信費」、ホームページ・サイト構築にかかるサーバー代などの「広告宣伝費」、名刺デザインやホームページなどを外注した際は「外注工賃費」などは、知っておくと意識して領収書などをまとめやすいかと思われます。

レシートや領収書は無くさないようにしよう

この経費、計上のための証明になるのは、レシートや領収書、クレジットカードの利用履歴などです。もしこうした記録を紛失してしまい、使ったことを証明できなければ、当然ですが確定申告で経費とはみなされません。なくさないように月ごとに保管、できれば経費の種類ごとに保管しておきましょう。

経費の計算が好きな方はなかなかいないとは思いますが、もし、経費計算が煩わしく感じるなら、近年では、アプリで簡単に確定申告用に経費をまとめてくれるものもありますので、そちらを使ってみるのもよいでしょう。

無駄な経費を抑え、節税に励もう

さて、経費についてひととおり解説しましたが、実は、経費に関しては「同じような内容の出費」でも認められる場合と認められない場合があるなど、意外とデリケートな部分も多くあります。

わからない部分はフリーランス同士で情報交換しあう他、税務署で経費について尋ねてみるのもよい解決策といえますので、ぜひ活用してみてください。

経費について理解を深め、節税に励んでいきましょう。


近藤 フミヤ

Googleの尻を追いかけるお金のライター。愛媛県出身です。▶キャッシュレス・仮想通貨記事を中心に『クラウドワークス』メインで文章を書き散らしています。▶得意ジャンルはお金関係のこととガジェットです。生命線は猫。▶ブログやっております。https://freenyance.com