2017/08/08

開業届けとは?メリット、手続き、書き方などについて詳しく解説!

フリーランスは会社員と違って、税金や公的な手続きを自分で行う必要があります。
特にフリーランス1年目だと、どうしていいか分らないことも多いでしょう。

そのうちの一つとして、今回は開業届の疑問点について解説いたします。
「開業届って出さなきゃいけないの?」
「開業届ってどうやって出すの?」
という基本的な疑問について分かりやすく紹介していきますよ!

開業届って何?

まず、開業届とは正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」という名称で、その名の通り個人が新しく事業を始める場合に税務署に提出する書類のことです。

個人事業を始める際には原則、開業届は提出する決まりになっています。
なぜなら、個人事業を始めるということはすなわち個人で収入を得るということ。
その場合所得に応じて税金を納める必要がある為、税務署に事業を始める旨を知らせる必要があるのです。

また開業届の提出期限は「事業開始から1ヶ月以内」と決められています。

ただし、開業届は提出しなかったからといって、なにか罰則があるわけではありません。
開業届の提出有無に関わらず、収入などの基準を満たす場合は確定申告をする必要がある為、確定申告に影響が出るわけでもありません。

ただ、開業届を提出することによって受けられるメリットがいくつかあるので、それを踏まえてやはり原則通り開業の1ヶ月以内に開業届を提出するのが良いでしょう。

ちなみに開業の1ヶ月以内を過ぎてしまっていても開業届は受け付けてもらえるので、万一遅れてしまっても後から提出しましょう。

開業届を出すメリット

開業届を出すことで節税や社会的信用の観点から主にメリットが3つあります。
しっかり確認して、受けられるメリットは活用しましょう。

節税効果の高い「青色申告」申請ができる

開業届を出すことの最大のメリットは青色申告を申請できる点です。

・青色申告とは
(一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる青色申告の制度があります。 青色申告をすることができる人は、 不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。)

(出典:国税庁|No.2070 青色申告制度 )

つまり、青色申告は基準を満たした複雑な記帳が求められる代わりに、所得控除額が大きいなどのいくつかのメリットが受けられます。

など、青色申告の申請をしなければ自動的に白色申告扱いとなります。
白色申告では、記帳が簡単な反面、青色申告で受けられるメリットがなくなります。

青色申告で受けられるメリットとしては主に以下の2つがあります。

  • 所得から最大65万円を特別控除できる

課税対象となる所得を減らすことができるので、節税効果があります。

  • 赤字を3年に渡って繰り越すことができる

例えば、1年目:−500万円の赤字だった場合、1年目は所得税はかかりません。

次の2年目:+400万円の黒字だったとすると、前年の−500万円と相殺できるため、(400万円−500万円=)−100万円となります。
つまり、2年目は400万円の利益が発生しているにも関わらず、前年の赤字を繰り越せるので−100万円の赤字という計算になり、2年目も所得税はかかりません。

さらに3年目:+500万円の黒字だったとすると、引き続き2年目で相殺しきれなかった−100万円と相殺できるため、(500万円−100万円=)400万円となります。
つまり、本来500万円の利益だったにも関わらず、400万円のみが課税対象となるのです。

なので、毎年売上が不安定なフリーランスにとってとてもお得なのです!

屋号で銀行口座が作れる

屋号とは会社でいうと会社名にあたり、個人事業の場合は事務所や店舗名などを指します。
一般的には〇〇事務所や〇〇商店、などと付ける場合が多いです。

個人事業を開始するにあたっては、確定申告の際に個人口座の支出と区別する為にも事業用の銀行口座を開設した方がベターと言えます。
その際、銀行口座に屋号を表記することができます。

屋号を表記していた方が取引相手にどんな事業をしているのか分かりやすく、信頼感を与えることができるので、なるべく屋号表記の銀行口座は用意しておいた方が良いでしょう。

「小規模企業共済」に加盟できる

小規模企業共済とは、小規模な個人事業主が事業を廃止した場合などに、それまで積み立ててきた掛け金に応じた共済金を受け取れる制度のことです。
フリーランスの保険的存在ですね。

開業届を提出することでこの制度に加入することができ、さらに掛け金は全額所得控除の対象となります。

開業届を出す際の注意点

開業届を提出することによって、基本的には上記の通りメリットしかありません。
ただ、以下の注意点もあるので気を付けましょう。

確定申告の申告漏れに注意しよう

まず前提として確定申告は開業届の提出有無に関わらず、収入額など一定の基準を満たす場合には必要です。
しかし、開業届をすることによって税務署に「個人事業を始めます」と申請をしているので、万一確定申告をする必要があるにも関わらず忘れてしまった場合などは、特に税務署から指摘を受けやすいと言えます。

確定申告をし忘れてしまった場合、開業届の提出有無に関わらず課税額が割増になるなどのその他ペナルティーを受ける可能性もある為、注意しましょう。

失業手当がもらえなくなる

失業手当とは、基本的に「転職の意思があり、求職活動を行っているが職に就けない人」がもらえる保険です。

したがって、フリーランスのように個人で事業を始めて収入を得る予定のある人は失業手当はもらえません。
その為、開業届を提出するということは個人事業を始めて収入を得る、ということなので自動的に失業手当の要件から外れることがほとんどです。

会社を退職して失業手当を受給する予定の人は、その間に開業届を提出してしまうと失業手当がもらえなくなる可能性があるので注意しましょう。

開業届の入手、記入方法

開業届の用紙は最寄りの税務署でもらうことができますが、国税庁のホームページからもダウンロードできます。
(出典:国税庁|[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続 )

また、上記のURL内に書き方についても記載があるので確認しておきましょう。

その他の書き方についての注意点は以下の通りです。

職業の分類によって個人事業税が変わるので注意

職業については総務省が出している「日本標準職業分類」を参考にしましょう。

注意したいのが、所得が290万円以上あるとき、開業届に記入する職業によって「個人事業税」がかかる・かからない、という違いが出てくる点です。
その為、職業は慎重に記入しましょう。

個人番号(マイナンバー)

12桁のマイナンバーを記入する欄です。
個人番号カードか、マイナンバー通知カードに記載されています。

開業日

特に決まりはない為、事業を開始した日や店舗をオープンさせた日など任意で決めましょう。

事業の概要

職業や仕事内容をより具体的に書く欄です。
例えば職業を「ライター」として、「事業の概要」欄へ具体的に「取材、原稿作成」などと詳細を記載すればOKです。

ポイントとして、今後事業の幅を広げる可能性がある場合、末尾に「〜およびそれに付随する業務」と付け加えておくと融通が効くため便利です。

開業届と一緒に提出すべきもの、提出方法

  • 「青色申告承認申請書」

確定申告を青色申告で行いたい場合に必要な申請書です。
3-1でご紹介した通り青色申告のメリットは大きいので、基本的には開業届と合わせて提出しましょう。

  • 開業届の提出先

提出先は納税地を所轄する税務署です。
納税地は、自宅兼事務所の個人事業主であれば自宅の所在地となりますが、事務所や店舗を納税地にすることも可能です。
税務署の所在地等について詳細は国税庁のホームページで確認しましょう。

※注意!
開業届を提出する際は、「自分用」の控えを用意して一緒に提出することをオススメします!
(郵送で送る場合は返信用封筒も添えて)
そうしないと、開業届には自分に残る控えがないため、後から個人事業用の銀行口座等を作る際に再度取り寄せる必要が出てきます。(再度取り寄せるのはかなり面倒らしいので忘れずに用意しましょう)

「自分用」の控えとしては、原本を1部コピーしたものを渡しましょう。
そうすると、そのコピーに受領印を押して返却してくれます。

まとめ

フリーランスとして個人事業を開始するにあたって必要となってくる開業届。
聞き慣れない単語も多くて難しかったかもしれません。

ただ、フリーランスにとって開業届を出すメリットは大きいので税務署などに相談しながらぜひ手続きを進めてみましょう。

(開業届を出す際のポイント)

  • 開業届の提出期限は「事業開始から1ヶ月以内」だが、提出漏れや遅延があっても罰則はない

(開業届を出すメリット)

  • 節税効果の高い「青色申告」申請ができる
  • 屋号で銀行口座が作れる
  • 「小規模企業共済」に加盟できる

(開業届を出す際の注意点)

  • 確定申告の申告漏れに注意しよう
  • 失業手当がもらえなくなる

(開業届の入手、記入方法)

  • 開業届は税務署でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードする
  • 職業の分類によって個人事業税の有無が変わるので注意

(開業届と一緒に提出すべきもの)

  • 「青色申告承認申請書」

(開業届の提出)

  • 提出先は納税地を所轄する税務署
  • 開業届を提出する際は「自分用の控え」を用意するのを忘れずに

なお田舎フリーランス養成講座では実際にフリーランスとして働き、開業届を出している人たちから直接アドバイスや話を聞ける機会もあります。
フリーランスとしてのスキルだけでなく、必要な手続きや税務関係の知識についても身近に相談できる相手がいることも田舎フリーランス養成講座を受講するメリットでもあります。


ていえみ

自然女子ブロガー/フリーライター いなフリいすみ1期生。ブログやインスタで自然や四季を感じるスポットや写真を発信してます。会社を辞め、個人が自分の好きや得意を活かして働く方法を模索中、広めたいと思ってます。現在は千葉県いすみ市にプチ移住中。